美容院の予約方法で代表的なのが電話予約です。しかし、最近では利便性の高いネット予約が登場しており、多くの美容院で導入が進んでいます。
ネット予約の利用者は増加傾向にあるため、電話予約だけに対応している美容院は今後集客に苦戦するかもしれません。
ただし、ネット予約は利用方法によって予約管理が煩雑になります。導入にあたっては仕組みについて理解をして適切な準備をしておくことが大切です。
そこで本記事では、予約方法が電話だけでは不十分な理由とネット予約の導入が進んでいる背景を解説します。また、ネット予約を効率よく運用するための予約システムについても紹介します。
美容院の予約が電話だけだと不十分な理由
美容院の予約は長年にわたって電話予約が主流でした。しかし、電話予約が最適なわけではなく、他に選択肢がなかったという側面があります。
実際、電話予約には以下のような問題がありました。
- 電話の苦手なお客様が予約をとりづらい
- スケジュール管理が煩雑になる
- 営業時間内でしか予約を受けられない
- 施術中の応対が難しい
上記の問題点は新規顧客の獲得機会を逃すだけでなく、既存のお客様の満足度にも影響を与えかねません。結果として、美容院の集客力や売上にマイナスの影響を及ぼすリスクがあります。
美容院の経営を改善してお客様により良いサービスを提供するには、まず電話予約の問題点を正しく認識することが大切です。その上でお客様の利便性を高める新たな予約方法を検討することで、店舗にとって最適な対策が見つかる可能性が高くなります。
電話の苦手なお客様が予約をとりづらい
株式会社ソフツーが20代以上の男女562人を対象に行った調査※によると、全体の6割近く、特に20~30代では7割以上が電話に対して苦手意識を持っているという結果が出ています。
参照元:株式会社ソフツー「電話業務に関する実態調査」
美容院の電話予約は、電話が苦手な人にとってハードルが高い傾向があります。そのため、魅力的な美容院を見つけても電話予約が必要だと分かった途端に、予約を諦めてしまう人がいるかもしれません。
調査結果を見ると電話に苦手意識のある人が多いため、電話予約だけの美容院では新規顧客の獲得機会を逃がすリスクが高くなります。
また、電話予約をしてくる既存のお客様の中にも、できれば電話予約を避けたいと思っている人が一定数いる可能性が高いです。電話予約だけの対応を続けていれば、ネット予約を導入している美容院への乗り換えを検討することも考えられます。
つまり、美容院の予約方法が電話のみに限定されていると、新規顧客の獲得だけでなく既存のお客様が離れる可能性があります。美容院の経営にとって重要な集客力を上げるためにも、電話以外の予約方法を導入する必要があります。
予約管理が煩雑になる
美容院の予約が電話だけの場合、予約内容を紙の台帳やパソコンに記入する作業が必要です。記入作業は予約の受付や変更、キャンセルのたびに発生するため手間や時間がかかるだけでなくスタッフの負担も大きくなります。
手作業の記入ではミスも起きやすく、特に忙しい時間帯の作業では予約管理に慣れたスタッフであっても記入漏れが起きることも珍しくありません。
また、美容院の予約状況はリアルタイムで把握する必要があるため、即時反映が求められます。反映が遅れると、ダブルブッキングやスタッフの空き時間が発生するリスクがあります。
予約ミスはお客様に迷惑をかけるだけでなく、美容院の信用を失い大きな損失につながります。電話予約では予約管理が煩雑でミスが起きやすくなるため、予約情報を自動的に反映できるネット予約の導入が不可欠です。
営業時間内でしか予約を受けられない
電話予約は、基本的に営業時間内でしか予約を受けられません。そのため、営業時間内に電話が難しいお客様にとっては予約が取りづらいです。
また、美容院に設置されている電話機が1台の場合、電話予約対応している間に他の予約が受けれません。お客様によっては、そのタイミングでしか電話ができない場合もあるので、話し中になっていると予約ができずにチャンスを逃がすことになりかねません。
営業時間内でしか予約を受けられないという電話予約の制限は、お客様の利便性を大きく損ないます。美容院としても予約の機会を逃がすことで潜在的な収益を失っている可能性があります。美容院の集客力を高めるためには、営業時間外でもお客様が予約しやすい方法を導入することが重要です。
施術中の応対が難しい
スタッフ全員が施術しているタイミングで予約の電話がかかってきた場合、誰かが対応する必要があります。電話対応がすぐに済めばいいのですが、内容によっては時間がかかることがあります。さらに、連続して電話がかかってくるとスタッフは担当している席を長時間離れなければなりません。
お客様はスタッフが席を離れて電話対応をしたことで自分の施術が後回しにされたと感じ、不満を抱くことがあります。
また、スタッフにとっても施術に集中できない状況が続くことでストレスを感じ、施術や接客の質が低下するおそれがあります。
美容院においては電話予約を完全に無くすことはできないため、施術中に予約電話の対応をしないということは現実的に難しいです。しかし、自動的に予約ができる方法を導入することで電話予約に対応する回数を減らせます。
美容院でネット予約の導入が進む背景
近年、美容院業界で急速に導入が進んでいるのがネット予約です。その主な理由は利便性の高さにあります。
ネット予約では予約を24時間365日受け付けているため、お客様は自分の都合に合わせて予約を取れます。予約はオンライン上で完結し、予約希望日、施術メニュー、担当者などをお客様自身で入力が可能です。また、予約の変更やキャンセルもお客様自身で行えるため、スタッフが対応する必要がありません。
このようにネット予約は電話予約が抱えていた問題点を解決できます。ネット予約を導入すれば業務効率化とお客様の利便性向上を同時に実現できるので、美容院に欠かせません。
スマホの普及でネット予約の需要が増えた
美容院でネット予約の導入が急速に進んでいる背景の一つにスマートフォンの普及があります。
高性能なスマートフォンが広く普及したことで、多くの人がネットから予約できるようになりました。スマートフォンがあれば電話ができない場所でも手軽に予約ができるため、電話予約よりもネット予約が利用される傾向にあります。
内閣府の消費動向調査※によれば、世帯におけるスマートフォンの普及率は年々上昇し2023年3月時点では92.6%に達しています。多くの人がスマートフォンを所有しているため、今後もネット予約の需要は増えていきます。
そのため、美容院の集客力を高めるにはネット予約を積極的に取り入れていく必要があります。
参照元:内閣府「消費動向調査(令和6 (2024)年3月実施分) 調査結果の要点」
インターネットで美容院を探す人が増えてきた
美容院の集客方法は、時代とともに変化しています。一昔前は、無料冊子への掲載やチラシ配りが主流でしたが今ではインターネットが主要な集客チャネルです。
その理由の一つが通信技術の進歩です。スマートフォンでも大容量のデータを高速で通信できるためサロンの雰囲気や実際の施術風景、スタッフの紹介などを高画質な画像や動画で手軽に閲覧できるようになりました。そのため、紙媒体よりも多くの情報を簡単に得られるポータルサイトやSNSで美容院を探す人が増えています。
さらにネット予約では、美容院のホームページやポータルサイトで気に入ったサロンを見つけたらそのまま予約を取れます。ネット予約は、インターネットで美容院を探す人にとって非常に利便性の高いサービスです。
このように、美容院業界ではインターネットで美容院を探す人が増えてきたことを背景に、ネット予約の導入が進んできました。
ネット予約サービスの発展
美容院でネット予約の導入が進んでいる背景の一つにネット予約サービスの発展があります。近年、ネット予約の種類が増えたことで、大型店舗から個人経営の小さなサロンまでそれぞれのニーズに合ったサービスを選べるようになりました。
また、インターネットの進歩による高速通信で、サービスをオンラインで提供できるようになったことも普及の理由の一つです。以前はネット予約システムの導入には高額な設備投資が必要でしたが、今ではクラウドベースのサービスが主流となっています。
その結果、個人経営の美容院でもネット予約を導入しやすくなったことで活用が広がっています。
ネット予約の注意点
ネット予約は、電話予約の問題を解決し美容院の集客力と業務効率の向上に重要な方法ですが、導入する際は以下の点に注意が必要です。
- 複数のチャネルを利用すると管理が煩雑になる
- 常に最新の予約状況に更新する必要がある
- 予約ページの作り込みに時間がかかる
集客力や業務効率の向上のためにネット予約を導入しても、使い方を間違えればかえって手間が増えてしまいます。ネット予約を有効に活用するにはこれらの注意点を確認し、美容院の状況に合わせた運用方法の検討が重要です。
複数のチャネルを利用すると管理が煩雑になる
ネット予約は店舗のWebサイトやポータルサイト、SNSなど複数のチャネルを活用することで効果的な集客につながります。しかし、チャネルを増やしすぎると予約管理が煩雑になってしまうため注意が必要です。
たとえば、ポータルサイトAとポータルサイトBの2つのチャネルでネット予約を受け付けているとします。ポータルサイトAからの予約が入った場合、すぐにポータルサイトBに予約が埋まった情報を反映しなければいけません。
反映を忘れると、ポータルサイトAで埋まった枠に後からポータルサイトBで予約が入ることでダブルブッキングが起きてしまいます。ネット予約では、さまざまなチャネルから予約が入ってくるため、変更やキャンセルがあった場合もすべてのチャネルへの速やかな反映が必要です。
予約ミスがあれば、お客様への連絡や手続きなどの対応が発生します。また、頻繁に起こればお客様の信頼を失ってしまいます。
複数のチャネルを利用したネット予約では、常に最新の予約状況を反映させる必要があります。
更新作業を手動で行う場合は、予約が入るたびに速やかに反映するよう心がけましょう。特に予約が集中する時間帯は、細かいチェックが大切です。
予約ページの作り込みに時間がかかる
美容院では、独自のメニューを用意していることが多いため、ネット予約の導入時は予約ページを美容院に合わせて作り込む必要があります。
ネット予約ではお客様自身が予約の手続きを行うので、メニューの説明や予約までのフローが明確になっていないとお客様が戸惑い予約を断念してしまいます。
そのため、予約ページはお客様にとって使いやすく、わかりやすいデザインにする必要があります。メニューの内容や料金、所要時間などを明記して予約までの手順を簡潔に説明することが大切です。
また、美容院独自のメニューを掲載する場合は、写真や説明文を工夫してお客様に魅力が伝わるようにしましょう。
予約システムを使えばネット予約の管理がしやすい
美容院がネット予約を導入する際の注意点は、複数のチャネルを利用することで予約管理が煩雑になることです。この問題を解決するには予約システムの導入が欠かせません。
予約システムを使えば、複数のチャネルからの予約情報を自動で同期して予約状況をリアルタイムで把握できます。手動での入力作業がほとんどなくなるため、業務効率が各段に上がります。
また予約システムには予約管理の他にも、ネット予約を効率化できる様々な機能が搭載されているため、それぞれの美容院に合った予約システムを選ぶことが重要です。
関連記事:美容室におすすめの予約システム7選!どれを選ぶべき?選び方を解説
ネット予約を一元管理できる
予約システムの最大の特徴は、予約の一元管理です。
美容院が複数のチャネルを利用する場合、予約管理の手間が大幅に増えてしまいます。しかし、予約システムを活用すれば複数のチャネルからの予約をすべて集約して一元管理することが可能です。
たとえば、美容院の公式Webサイト、ポータルサイト、SNSなどで予約を受け付けている場合、それぞれのチャネルで予約状況を管理しなければなりません。予約システムを導入すれば、予約情報を自動的に集約して一つの管理画面で確認できます。
さらに、予約システムで収集した予約情報は、それぞれのチャネルにリアルタイムで自動的に反映できます。スタッフのスケジュール調整もできるので、予約ミスやダブルブッキングのリスクを大幅に減らすことが可能です。
また、予約システムの中には電話予約や来店での予約も一元管理できるものがあります。すべての予約を一元管理できれば予約管理の手間を大幅に削減でき、業務の効率化と予約ミスの防止につながります。
お客様の来店忘れを防げる
美容院を運営していると、お客様が予約したことを忘れてしまうことがあります。来店忘れが頻繁に発生すると、美容院の売上に大きな影響を与えるおそれがあります。そのため、来店忘れを減らすことが重要です。
予約システムの中にはリマインドメール機能が搭載されているものがあります。予約日の1週間前や前日にお客様に予約日時を自動的に連絡できるため、お客様に予約日時を再確認してもらえます。美容院側の連絡忘れもありません。
予約したことを忘れていたお客様はリマインドメールを受け取ることで予約を思い出し、来店してくれる可能性が高くなります。
他システムとの連携でより便利になる
予約システムは、他のシステムと連携させることでさらに業務効率を上げられます。
予約システムと連携することが多いシステムが、電子カルテとPOSシステムです。
電子カルテとは、お客様の情報をデジタルで管理するシステムのことです。お客様の施術履歴や好みのスタイル、髪質などの情報がデータで記録できます。
予約システムと電子カルテを連携させれば、予約が入った際に電子カルテに記載されている情報を予約システムですぐに確認できます。お客様の名前から顧客情報を照らし合わせる必要がありません。
また、POSシステムは売上管理や在庫管理、顧客管理などを行うシステムです。美容院に関するさまざまな情報を収集し分析できるため経営に役立てられます。
予約システムとPOSシステムを連携させれば、予約状況からの売上予測や来店頻度や利用しているメニューの分析が可能です。
このような他システムとの連携により、美容院の業務効率をさらに高められます。
ただし、予約システムによって連携できるシステムが異なるため導入前にどのようなシステムと連携できるのか確認する必要があります。
「かんざし」で美容院の予約管理がもっと楽になる
美容院の予約管理を効率化して業務の負担を軽減したいと考えている方には、「かんざし」の導入がおすすめです。かんざしは、パシフィックポーター株式会社が提供するサロン・美容業界に特化した予約一元管理サービスです。
かんざしの特徴は以下のとおりです。
- 主要なネット予約の一元管理が可能
- SNS連携で集客力の強化につながる
- 電子カルテ・POSシステムとの連携で業務効率を向上できる
- 月額5,500円からの手軽な価格設定
それぞれの特徴を解説します。
主要なネット予約の一元管理が可能
かんざしの大きな特徴の一つが主要なネット予約の一元管理が可能な点です。ポータルサイトとして代表的なHOT PEPPER Beautyはもちろんのこと、楽天ビューティー、Google、Instagram、LINEなど、多くのサービスに対応します。
予約情報はすべてかんざしに集約され一元管理されます。そのため、複数のチャネルを利用しても管理業務の手間がかかりません。
さらに、かんざしは電話予約や来店予約の一元管理にも対応しています。電話や来店で受けた予約も、かんざしに入力すればネット予約と一緒に管理できます。
SNS連携で集客力の強化につながる
かんざしのもう一つの大きな特徴がSNS連携による集客力の強化です。
かんざしは、LINEやInstagramと連携して予約を受けることができます。
LINEとの連携ではLINE専用の予約ページを作成可能です。予約ページには、LINEユーザーが気軽に予約できるボタンをトーク画面に設置できます。お客様のIDと美容院のIDを連携して利用するため、専用アプリをインストールする必要がありません。
また、Instagramとの連携ではInstagramのプロフィールに直接「予約する」ボタンを設置できるので、フォロワーがワンクリックで予約ページにアクセスできます。
LINEやInstagramは多くの人が日常的に使用しているアプリケーションなので、ユーザーにとって非常に利便性が高いです。
SNSから直接予約ができるようになれば、お客様にとって予約のハードルが下がり利用しやすくなります。さらにSNSを運用してフォロワーを増やせば、新規顧客の獲得も期待できます。
かんざしのSNS連携機能を活用することで、美容院の集客力アップにつながります。
電子カルテ・POSシステムとの連携で業務を効率化できる
かんざしは、「ビューティーパレット」や「サロエボ」との連携により業務効率の大幅な向上が期待できます。
ビューティーパレットは美容院・サロン専用の電子カルテシステムです。手書きやフリーハンドで書き込めるため、お客様の髪質や好みなど感覚的な内容も記録できます。また、専用端末を必要としないため導入コストを抑えられるのが特徴です。
かんざしと連携させることで、予約台帳からカルテ情報がすぐに確認できます。予約情報と顧客情報の照合作業が不要となり業務の効率化が図れます。
一方、「サロエボ」は、美容院に特化したPOSシステムです。会計機能だけでなく顧客管理や売上推移、データ分析の機能も充実しています。
美容院の経営には、売上や顧客情報などのデータを集めて分析することが不可欠です。しかし、手作業では手間がかかります。「サロエボ」はさまざまな情報を自動で集計して分析に必要な機能を数多く搭載しているため、経営状況の把握や意思決定がスムーズに行えます。
月額5,500円からの手軽な価格設定
かんざしは、美容院に特化した予約システムでありながら月額基本料金が5,500円(税込)とリーズナブルな価格設定になっています。初期費用は一切かかりません。
美容院の中には、予約システムの導入を検討していても初期投資の資金確保が難しいケースもあるでしょう。しかし、かんざしなら高額な設備投資が難しい美容院でも安心して導入できます。
かんざしとPOSシステムと連携する場合は料金体系が異なるため、詳細についてはお問い合わせください。
まとめ
美容院の予約方法は、電話からネット予約へと移行しつつあります。ネット予約の利便性の高さから今後もその傾向が続くと考えられます。そのため、電話予約のみに対応している美容院は集客面で苦戦する可能性があります。
一方で、ネット予約においても注意点があります。複数のチャネルを利用すると予約管理が煩雑になるおそれがあるため、効率よく運用するには予約システムの導入が不可欠です。
予約システムを適切に活用できれば、美容院の運営を安定化させることができるでしょう。
美容院の予約管理に不安を感じている、または最適な予約システムを選びたいといったお悩みがあれば、ぜひ一度お問い合わせください。経験と知識が豊富なスタッフが貴店に最適な予約システムをご提案いたします。