エステサロンの安定した運営には、新規顧客の獲得とリピーターの定着が重要です。そのためには顧客情報の適切な管理が欠かせません。
新規顧客の獲得には効果的なマーケティングやプロモーション活動が必要ですが、顧客情報を活用すれば訴求力の高い内容を発信できます。また、顧客情報を活用することでリピーターの定着に不可欠な顧客満足度を向上させることができます。
ただし、顧客管理を実際に行う際には、管理対象となる情報の種類や、適切な管理方法について理解しておく必要があります。顧客管理が不十分だと、顧客ニーズの把握が難しくなり、満足度の高いサービスが提供できないおそれがあります。
そこで本記事では、エステサロンが管理すべき顧客情報とその方法について詳しく解説します。また、顧客管理を一元化できるおすすめの顧客管理システム5選についても紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
エステサロンで管理する顧客情報
エステサロンで管理すべき顧客情報は、以下のとおりです。
- 個人情報
- カウンセリングの内容
- 役務管理
顧客情報を適切に管理することで、顧客のニーズに合ったサービスを提供でき、顧客満足度の向上につながります。また、信頼関係が強化され、店舗の評判も向上します。それぞれの情報の管理方法や活用方法について、詳しく見ていきましょう。
個人情報
エステサロンでは、新規の顧客に対して以下のような個人情報の提供をお願いすることが一般的です。
- 氏名
- 住所
- 電話番号
- メールアドレス
- 生年月日
個人情報は、顧客を識別するためだけでなく、新規顧客の獲得やリピーターの定着にも重要な役割を果たします。
たとえば、顧客の年齢層や居住地域の情報を分析することで、効果的なマーケティングのためのターゲットを特定できます。ターゲットが明確になれば販売戦略を最適化し、より多くの新規顧客を獲得することが可能です。
また、顧客の生年月日が分かれば、誕生月に合わせたキャンペーン案内やクーポンを送付できます。顧客との接点を増やすことで、リピーターとして定着する可能性が高まります。
したがって、エステサロンでは個人情報の適切な管理が必要です。
個人情報の管理で注意したいのが情報漏えいです。万が一個人情報が外部に流出すれば、信頼関係を大きく損ねることになりかねません。第三者が見られないようにする、個人情報の取扱いに対するスタッフの教育を徹底するなど、適切な管理体制を整えることが求められます。
カウンセリングの内容
エステサロンでは、施術前に顧客に対してカウンセリングを行い、顧客の肌の状態や体質、生活習慣、悩みなどを詳細に聞き取ります。カウンセリングの内容は、顧客のニーズに合った施術やアドバイスの提供に役立つだけでなく、安全を確保する上でも重要です。
たとえば、顧客がアレルギーを持っている場合、関連する成分を含む化粧品や施術を避けなければいけません。カウンセリングでアレルギーの有無を確認し、情報を管理しておくことで安全な施術を行えます。
また、カウンセリングの内容は集客に利用可能です。顧客の悩みや要望を把握できれば、新たなメニューの開発や既存メニューの改善につながります。顧客の満足度が向上すれば、リピーターとして定着しやすくなります。さらに、新しいメニューを前面に押し出したプロモーション活動を行うことで、新規顧客の獲得につながる可能性が高いです。
カウンセリングの内容は、顧客一人ひとりに合ったサービスを提供し、安全な施術を行うために必要な情報です。そのため、エステサロンにおいてカウンセリング内容は管理すべき重要な情報です。
役務管理
エステサロンが管理すべき顧客情報の中で、特徴的なのが役務管理です。役務管理とは、コース契約をされた顧客に対して、契約回数や残回数、有効期限などを管理することを指します。
エステサロンでは、前払いのチケット制によるコース契約が一般的です。そのため、顧客一人ひとりに対し、決められた回数を期限内にすべて消化できるように把握しておく必要があります。役務管理が不十分だと契約回数や消化回数を間違えてしまい、顧客とトラブルになりかねません。
しかし、役務管理を適切に行えていれば、顧客が契約内容通りのサービスを受けられるため信頼を得られます。また、コース契約の有効期限が切れそうな顧客に対して、期限内に施術を受けるように促せます。
顧客管理の方法
エステサロンで顧客管理をするための代表的な方法が、紙ベースの顧客管理シートと表計算ソフトです。また、最近では顧客管理システムの導入も進んでいます。それぞれメリットデメリットがあるので確認していきましょう。
紙ベースの顧客管理シート
紙ベースの顧客管理シートは、顧客ごとに用紙を作成して個人情報や施術履歴、契約内容などを手書きで記録していく方法です。
記録するための用紙さえあれば導入できるため、初期費用はほとんどかかりません。また、フォーマットを自由に設定できるため、店舗の運営に合わせて使いやすくアレンジできます。作成に特別なスキルを必要としないため、パソコンが苦手な人でも扱いやすいという利点があります。
ただし、紙ベースの顧客管理シートは、顧客の人数が増えてくると管理する場所の確保が必要です。また、顧客の情報をすぐに確認できるように常に整理しなければならず、管理に手間がかかります。バックアップも難しいため、用紙が破れたり紛失したりすると情報が失われてしまうおそれがあります。
顧客情報は複数のスタッフと共有するため、読みやすい字で書くことが大切です。クセのある字や殴り書きで記録すると、他のスタッフが正しく読み取れません。顧客情報を間違って解釈してしまい、ミスの原因にもなります。
表計算ソフト
表計算ソフトを使用した顧客管理は、ExcelやGoogleスプレッドシートなどで顧客情報を管理する方法です。顧客情報をデジタルデータで管理することで、情報の検索や集計が効率化できます。バックアップも簡単にできるため、万が一のデータ消失や故障のリスクを抑えられます。
さらに、表計算ソフトを使用すれば、紙ベースの顧客管理シートでは難しかった顧客情報の分析も容易です。年齢層別の施術人数や、施術の周期、顧客の嗜好などを分析できれば、マーケティングやサービス改善に役立てられます。
ただし、表計算ソフトはファイルの複製が簡単にできてしまうので、顧客情報が漏えいするリスクがあります。そのため、パスワードの設定やアクセス制限、スタッフの教育などの対策を講じることが重要です。
顧客管理システム
エステサロンでは顧客管理システムの導入が進んでいます。顧客管理システムは、顧客情報を一元管理するシステムです。
従来の表計算ソフトや紙ベースの顧客管理シートと比べて、情報の入力や管理がより簡単で、直感的に操作できます。紙ベースの顧客管理シートの利点である自由度の高さも取り入れており、エステサロンごとにカスタマイズできるのが特徴です。
また、エステサロン特有の業務に合わせた専門的な分析機能も備わっています。高度なセキュリティ機能を備えているため、顧客情報の流出を防げます。
顧客管理システムによっては、タブレットやスマートフォンからも操作でき、外出先からのアクセスも可能です。スタッフ間の情報共有がスムーズになり、顧客対応の質が向上します。
以上のことから、エステサロンで効果的な顧客管理を行うには、専用の顧客管理システムの導入がおすすめです。
顧客管理システムの選び方
顧客管理システムは業種に特化したものが多く、搭載されている機能が異なるためエステサロン向けに開発されたシステムを選択することが重要です。
ただし、エステサロン向けの顧客管理システムは機能がそれぞれ異なります。店舗の内容に合っていないものを選ぶと業務効率が低下するリスクもあるため、比較検討が重要です。
顧客管理システムを選ぶ際は、以下の項目を確認するようにしましょう。
- 管理できる顧客情報の種類
- 他システムとの連携
- 端末の種類
なお、顧客管理システムによっては無料プランやトライアル期間が用意されています。金銭的な負担なしで利用できるため、操作性や機能を確認するためにも積極的に使っていきましょう。
管理できる顧客情報の種類
顧客管理システムを選ぶ際は管理できる顧客情報の種類を確認しましょう。
顧客の個人情報は必須ですが、エステサロンに欠かせない役務管理やカウンセリング内容が管理できるかどうかを確認する必要があります。その他、来店サイクルやポイント残高など、店舗運営に必要な情報を漏れなく管理できるシステムを選ぶことが大切です。
また、顧客情報の分析機能についても確認しましょう。来店予測分析や顧客売上推移などの分析機能があると、顧客の行動パターンや購買傾向を把握できます。適切な分析ができれば、店舗経営の改善やマーケティングやプロモーション活動の最適化に役立てられます。
他システムとの連携
顧客管理システムは、他のシステムと連携することでより便利に利用できます。
たとえば、電子カルテシステムと連携することで、カウンセリング内容や施術記録などの情報を顧客管理システムに自動的に反映できます。カルテと顧客情報の照合が不要になるため、管理の手間がかかりません。
また、予約管理システムと連携すると、顧客情報と予約状況を紐付けられます。顧客の来店履歴や予約状況を把握できれば、スタッフのシフト管理や施術の準備を最適化できます。
顧客管理システムを選ぶ際は単体での機能だけでなく、拡張性についても比較検討をしましょう。
関連記事:【カルテ管理が簡単】エステサロンには電子カルテがおすすめ!
端末の種類
顧客管理システムに対応する端末の種類も、選ぶ際に重要なポイントです。パソコンだけでなく、タブレットやスマートフォンでも利用できるシステムを選べば、活用の幅を広げられます。
たとえば、タブレットに対応した顧客管理システムであれば、カウンセリングの際に顧客情報を簡単に入力できます。手書きに対応していれば、紙に書くのと同じ感覚で入力ができるため、細かい情報まで記録が可能です。写真や動画などのビジュアル情報も簡単に取り込めるので、より詳細な顧客情報を管理できます。
また、スマートフォンに対応していれば、外出先からでも顧客情報にアクセスが可能です。出張先での営業活動やイベント会場であっても、店舗の顧客情報を活用することができ、ビジネスチャンスを逃すことなくサービスを提供できます。
顧客管理システムを選ぶときは、店舗の業務スタイルに合わせて最適な端末と顧客管理システムの組み合わせを選びましょう。
おすすめの顧客管理システム5選
エステサロンに特化した顧客管理システムは多数存在しますが、ここでは特におすすめのシステムを5つ紹介します。
サロエボ
引用元:サロエボ 公式Webサイト
「サロエボ」は、エステサロンに特化したPOSシステムです。顧客管理や決済、予約管理、カルテ登録といったサロン業務の基本機能に加え、スタッフ管理、日計業務、販売促進、分析機能など幅広い業務に対応しています。
マルチデバイス対応のため、タブレットやスマートフォンからも利用可能です。データはクラウドで管理されているため、インターネット環境さえあれば店舗外からでも顧客情報の確認や管理ができます。
データを管理するデータセンターは、24時間有人監視でアタックやハッキングといった外部からの不正なアクセスを防ぎます。地震・火災時の電源確保にも対応しているため、万が一の事態が起きても安心です。
また、電子カルテや予約システムと連携することで、顧客情報の入力や予約状況の確認など、幅広い業務を効率化できます。既存のPOSシステムからのデータ移行にも対応しているため、すでにPOSシステムを利用している店舗でもスムーズに導入できます。
さらに、サロエボは10種類の分析機能が利用可能です。売上データや顧客データを活用して店舗間の比較分析やスタッフの業績評価など、多角的な分析ができます。
Treasure Box(トレジャーボックス)
Treasure Boxは、エステサロン・ネイルサロン・リラクゼーションサロンに特化したクラウド型の顧客管理システムです。わかりやすい操作性が特徴で、パソコンが苦手な方でも直感的に利用できるように設計されています。
予約管理や役務管理、売上管理などの基本機能に加え、集客に役立つ機能も搭載しているため、新規顧客の獲得やリピーターの定着に役立ちます。
また、Treasure Boxはマルチデバイス対応です。パソコン、スマートフォン、タブレットなどの端末から店舗の状況を確認できます。Treasure Boxはクラウドシステムを採用しているため高額な導入費用がかかりません。データはセキュリティの高いサーバーで管理されているので、情報漏えいのリスクを抑えられます。
SALONPOS LinQ2(サロンポス リンク2)
SALONPOS LinQ2は、美容室やエステサロン、ネイルサロンの設備機器の製造・販売を行うタカラベルモント株式会社が提供するPOSシステムです。
このシステムの特徴は、多くの機能が搭載されていることです。基本機能だけでも、顧客情報管理、キャッシャー、勤怠管理、在庫管理といったエステサロンの運営に必要不可欠な機能が備わっています。さらに、ネット予約やCTIシステムなどのオプション機能も充実しているため、サロンの業務効率化と顧客満足度の向上が期待できます。
SALONPOS LinQ2はクラウドシステムを採用しているため、インターネットを介して店舗間のデータを一元管理することができます。データはタカラベルモントが保守・管理しているため、端末で障害が発生してもデータの消失の心配がありません。
また、マルチデバイスに対応しているため、スマートフォンやタブレットからもシステムへのアクセスが可能です。店舗外からでも売上情報の確認や顧客情報の管理などが行えるため、経営者やスタッフの業務の幅が広がります。
Bionly(ビオンリー)
引用元:Bionly 公式Webサイト
Bionlyは、美容サロン全般向けに開発された顧客管理POSレジシステムです。シンプルで使いやすい設計が特徴で、操作に慣れていないスタッフでも安心して利用できます。
搭載している機能は、基本的な顧客管理やPOSレジ機能に加え、電子カルテや電子施術同意書、予約サイト、専用アプリなどです。サロン運営に必要な機能をすべて備えているため、顧客情報の一元管理や施術履歴の記録、オンライン予約の受付など、業務の効率化と顧客サービスの向上を実現します。
Bionlyは、iPadに特化したシステムで、タブレットでの操作に最適化されています。直感的で快適な操作ができるので、カウンセリングや施術の際、顧客情報の入力に手間取ることがありません。
A’staff(エースタッフ)
引用元:A’staff 公式Webサイト
A’staffは、リリースから30年以上の実績がある美容室・サロン向けのPOSシステムです。
30年以上の開発実績と、ユーザーからのフィードバックを基に、サロン経営に特化した実用的な機能を搭載しています。
実用的でシンプルな画面設計をしており、顧客管理、会計、集計分析といった幅広い機能をわかりやすく操作できます。システムの導入が初めてというエステサロンも安心です。
また、A’staffはマルチデバイスにも対応しているため、パソコン、タブレット、スマートフォンなど複数の端末でも同時に使用できます。クラウドベースのシステムであるため、システムの設計やインストールは不要です。機器の買い替えやシステムの入れ替えなどがないため、安心して使い続けられます。
「サロエボ」で顧客管理の効率化を実現
エステサロン向けの顧客管理システムとして人気の高い「サロエボ」には顧客管理以外にも以下の機能がついています。
- サロン業務
- スタッフ管理
- 日計管理
- 販売促進機能
- 分析機能
- 店舗、スタッフ分析
- 店舗設定
従来の顧客管理は、経営、接客、販促がすべてバラバラでした。しかし、サロエボはサロン業務を一つのシステムで管理できます。さらに、サロエボは電子カルテシステム「ビューティーパレット」や予約管理システム「かんざし」とも連携が可能です。顧客情報、施術記録、予約状況などのデータを一元管理でき、業務のさらなる効率化が実現できます。
施術内容や購入商品が一覧で確認できる
顧客情報を確認する際、いくつもの画面に情報が分かれていると行ったり来たりしなければいけません。必要な情報を探すのに時間がかかると顧客を待たせてしまい
顧客満足度が下がるおそれがあります。また、慌てて情報を探すとミスを引き起こすおそれがあります。
サロエボでは、顧客の個人情報だけでなく、施術履歴や購入商品なども同一画面で確認できます。情報の確認が短時間で済むため、顧客を待たせません。確認の時間が短縮できた分、スタッフはカウンセリングや施術に集中できるので顧客満足度の向上につながります。
豊富な分析機能で顧客情報を経営に役立てられる
サロエボには、顧客データを分析するための以下の機能が搭載されています。
- クロス分析
- 再来動向分析
- 来店予測分析
- Zチャート分析
- ABC分析
- レーダーチャート
- 顧客売上推移
- カレンダー分析
- DM・キャンペーン分析
- デシル分析
年齢層や職業、居住地域などの属性情報に加え、来店頻度や購入金額、施術の内容など、様々な角度から顧客の特徴を分析できます。分析結果を活用することで、ターゲットとなる顧客層が明確になるため、マーケティングの効率化が可能です。
また、売上データと顧客データを組み合わせれば、売上に対して貢献度の高い顧客層を特定できます。この顧客層を重点的にフォローアップできれば、売上の向上につながります。
まとめ
顧客情報は、経営の安定化と売上向上に直結するため重要です。しかし、せっかく集めた情報も適切に管理できなければ活用できません。
従来の紙ベースや表計算ソフトでも顧客情報を管理できますが、効率性や分析力に課題がありました。そのため、エステサロンに特化した顧客管理システムの導入が最適な選択肢となります。
ただし、顧客管理システムを選ぶ際は、自店舗のニーズに合った機能を備えているかを確認することが大切です。顧客管理システムの選定に迷っている店舗様は、ぜひ「サロエボ」をご検討ください。
サロエボは、顧客情報の一元管理、予約管理、施術履歴の記録など、エステサロンの業務に必要な機能を網羅しているだけでなく、豊富な分析機能を備えているのが特徴です。
また、顧客管理システムを効果的に活用することで、スタッフの業務効率化、顧客満足度の向上、経営判断の迅速化などが期待できます。エステサロンの経営者にとってサロエボは、競争力を高め業績を伸ばすために最適なツールとなりますので、お気軽にご相談ください。