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フリーランス美容師が知っておくべき確定申告の知識と効率化の方法

POSシステム

昨今、首都圏などを中心にフリーランスとして独立する美容師が増えています。
フリーランスの美容師は美容室を運営する企業と雇用関係を結ばずに、個人事業主として活動しているため、確定申告が必要です。

この記事では、フリーランスとして働く美容師に必要な確定申告と、確定申告の負担を軽減できるPOSシステムについて詳しく説明していきます。

確定申告とは

確定申告は、1年間の所得を計算して税務署に申告し、所得税を納める手続きのことです。
通常、正社員やアルバイトで勤務している人は企業が給与計算を行うため、ほとんどの場合確定申告は必要ありません。

一方、フリーランスの美容師は個人事業主となります。
個人事業主はサラリーマンとは異なり、勤め先での年末調整がないため、自ら確定申告を行う必要があります。

確定申告を怠ると、税務署からペナルティを受ける可能性がありますので、美容師として得た収入は、全て正確に申告する必要があります。

1年間の所得が課税対象になる

確定申告では、前年の1月1日から12月31日までの期間の収支を計算し、毎年3月15日までに管轄の税務局に所定の書類を提出します。

フリーランス美容師として得た報酬が「収入」であり、事業に必要な経費や控除である「必要経費」を差し引いた金額が「所得」として計上されます。

収入 - 必要経費 = 所得

この「所得」が課税対象となり、所得金額に応じて所得税、住民税、その他の税金が計算されます。

(例)

  • 所得税
  • 個人事業税
  • 住民税
  • 国民健康保険料

これらの税額は確定申告によって決定されるため、日ごろから収入や経費、控除などの経理的な要素を意識する必要があります。

フリーランスの美容師は確定申告が必要

フリーランスの美容師は個人事業主であるため、確定申告を行う義務があります。
収入は全て確定申告で計上しますので、集計漏れが無いよう会計ソフトなどに記録しましょう。
また、経費を計上する場合は領収書を保管します。
美容師の経費には、施術に必要なハサミやカミソリ、バリカンなどの施術の際に使用する道具を購入する費用などが含まれます。
確定申告では領収書を提出する必要はありませんが、原則として7年間は保管しておく必要があるため、捨てずに年ごとにファイリングして保管しましょう。

給与所得がある場合は源泉徴収をもらい確定申告する

給与所得がある場合は源泉徴収を取得して確定申告をします。
個人事業主として独立する前に正社員として働いていた方は、退職日までの期間に得た給与所得も確定申告をする必要があります。

確定申告書には「給与所得」を記入する欄があります。
正社員として働いていた期間や、フリーランス美容師と並行してアルバイトをしている場合は、勤務先からの源泉徴収分を給与所得欄に計上しましょう。

白色申告と青色申告の2種類がある

確定申告には大きく2つの方法があります。
簡易な申告方法である「白色申告」と、控除が利用できる「青色申告」です。
どちらも一長一短があるので、自身に合った方法を選択しましょう。

白色申告

白色申告では、「収支内訳書」という書類を提出します。
この収支内訳書を作成する際の帳簿は、「簡易簿記(単式簿記)」と呼ばれる方式での作成で良いとされ、青色申告よりも簡易です。

しかし、白色申告では控除を受けられません。
青色申告には「青色特別控除」という控除があるため、節税効果が高まります。
ただし、収入が少ない場合や、青色申告に不慣れな場合は、白色申告を選ぶことが一般的です。

青色申告

青色申告では、「青色申告決算書」という書類を提出します。
この書類は青色の紙を使用するため、青色申告と呼ばれます。

青色申告では「複式簿記」と呼ばれる帳簿の形式で保管する必要があり、白色申告よりも経理的な知識が必要です。

青色申告の控除

青色申告では最大65万円の控除が受けられるメリットがあります。
65万円の控除は「青色申告特別控除額」と呼ばれ、節税効果が高いため積極的に活用したい制度です。

青色申告特別控除額は提出する書類や帳簿の方式、申告方法によって、「65万円」「55万円」「10万円」の3つに分かれます。
控除額と提出方法の対応は以下の通りです。

青色申告特別控除額 65万円 55万円 10万円
提出方法
  • e-Tax(または「優良な電子帳簿」の保存でも可)
  • 郵送
  • 税務署へ持ち込み
  • e-Tax
  • 郵送
  • 税務署へ持ち込み
記帳方式 複式簿記 複式簿記 単式(簡易)簿記
でも可
青色申告決算書 貸借対照表と損益計算書 貸借対照表と損益計算書 損益計算書

青色申告特別控除額の「10万円控除」は、帳簿の作成が簡単な単式簿記形式でも認められ、事業的規模ではない不動産所得や山林所得がある場合にも利用できます。

フリーランス美容師の場合は事業所得などで申告し、「65万円控除」または「55万円控除」を活用できると節税効果も大きいです。

「65万円控除」と「55万円控除」の違いは、提出方法がe-Taxかそれ以外の提出方法かで決定します。
可能であれば、節税効果の高いe-Taxでの提出がおすすめです。
青色申告に必要なもの
青色申告を行う際には、「開業届」と「青色申告承認申請書」を税務署に提出する必要があります。
提出期限は以下の通りです。

提出期限
開業届 開業日から1ヶ月以内
青色申告承認申請書 開業日から2か月以内
※新たに青色申告の申請をする場合は、その年の3月15日まで

フリーランス美容師として開業した年に青色申告を行う場合は、これらの手続きを期限内に行う必要があります。
税務署へ必要書類を提出することで受理されますが、手続きをスムーズに進めたい場合はWEB手続きが便利です。
WEB手続きは開業や確定申告の際に便利ですので、「マイナンバーカード」を事前に発行しておきましょう。

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確定申告の流れ

確定申告のおおまかな流れは下記の通りです。

  • 必要書類の用意
  • e-taxもしくは税務署へ提出
  • 課税所得より算出した税金を納める

そして、日程は下記の通りです。

  1. 電子申告の提出期間(1月上旬~3月15日)※1月上旬~2月16日の間は提出のみで、受理日は2月16日となります。
  2. 所得税の確定申告の提出(2月16日~3月15日)
  3. 所得税および復興特別所得税の納付(3月15日※振替納税は約1カ月後)
  4. 個人事業者の消費税および地方消費税の納付(3月31日※振替納税は約1カ月後)

確定申告の提出期限は毎年3月15日です。
初めて確定申告を行う場合、書類の作成がスムーズにいかないこともあります。
期限ギリギリに準備を始めると間に合わなくなることがあるため、余裕を持って確定申告の準備をはじめましょう。

確定申告の申告期間である12月31日が過ぎたら、本格的に確定申告の提出に向けて、必要書類を作成していきます。

必要書類の用意

確定申告にはさまざまな書類が必要で、以下の書類を用意する必要があります。

確定申告書

2022年までは、所得の種類や申告者の状況に応じて確定申告書Aと確定申告書Bの2種類がありました。しかし、2023年1月からは申告書Aが廃止となり、申告書Bでの提出となります。

本人確認書類

マイナンバーカードを取得している場合は、マイナンバーカードだけで問題ありません。発行していない場合は通知カードや個人番号が記載された住民票の写しなどマイナンバーが確認できる書類と、以下の身元確認書類を組み合わせて利用できます。

  • 運転免許証
  • 健康保険証
  • パスポート
  • 在留カード

所得金額がわかるもの

個人事業主の場合、「収支内訳書」(白色申告)または「青色申告決算書」(青色申告)が必要です。

各種控除申請に必要な書類

生命保険料控除や社会保険料控除、医療費控除などの15種類の控除を申請するために必要な書類を用意します。
e-taxを利用すると、これらの控除の申請に必要な書類の提出が省略されることもあり、手間を減らせます。

その他

その他、書類ではありませんが、下記のものを準備しておくと手続きが便利です。

  • マイナポータルアプリもしくはカードリーダー
  • クレジットカード

確定申告に必要な書類の作成

必要書類を準備したら、書類の作成に取り掛かりましょう。
提出に必要な「確定申告書」は申告書第五表までありますが、主に使用するのは申告書第一表・第二表です。

申告書第一表

申告書第一表は、収入や所得、控除などを記載するメインの部分です。
収入や所得を算出するには、国税庁から提供されているe-taxや会計ソフト、または手書きの会計帳簿を作成して計算していく必要があります。

申告書第二表

申告書第二表には、第一表の内容の根拠や詳細を記載する項目があります。
内容が第一表と重複する箇所もありますが、第二表も確定申告書を提出する際に必須の書類です。

申告書第三表は分離課税用、申告書第四表は損失申告用、申告書第五表は修正申告用の書類です。
該当する場合はこれらの書類も併せて提出しますが、不要な場合は提出する必要はありません。

書類の提出

確定申告に必要な書類を揃えたら、税務署へ提出します。
提出の方法には「e-taxからの提出」「郵送」「税務署への持込」の3つの方法があります。以下は確定申告の提出方法に関する注意点です。

提出日 注意点
e-tax 1月上旬~3月15日
  • 1月上旬より提出可能だが、受付日は2月16日となる。
郵送 2月16日~3月15日
  • 郵便または信書便で郵送しなければならない。
  • 提出期限は消印の日付が適用される。
持込 2月16日~3月15日
  • 住所地等の所轄税務署の受付に提出、もしくは税務署の時間外収受箱への投函も可能

e-taxでの提出がスムーズ

確定申告はe-taxでの提出がスムーズです。
e-taxを利用すると、確定申告に関する書類の提出だけでなく、その他にもさまざまなメリットがあります。

メリット デメリット
e-tax
  • 申告書の作成の際、自動計算ツールを利用できる
  • 税務署に赴かなくても自宅にてオンラインによる提出が可能
  • 青色申告を選択した場合、65万円の青色特別控除を受けられる
  • e-taxを利用開始できるまでの準備が大変
  • パソコンやスマートフォンといった端末が必要
  • インターネット環境が必要
  • マイナンバーカードが必要
  • マイナポータルアプリやカードリーダーが必要
  • ID・パスワードの発行が必要
郵送
  • 税務署に赴かなくても提出可能
  • 書類を揃えればパソコンやネット環境が不要
  • 書類に不備があった際に、再度提出に時間がかかる
持込
  • 書類を揃えればパソコンやネット環境が不要
  • 簡易的な書類のチェックをしてもらえる
  • 税務署への持参・受付を待つ手間がかかる

e-taxは自動計算ツールを利用できることもあり、確定申告が自宅で完結できる便利な申請方法です。
青色申告で確定申告を行う場合も、自動的に青色特別控除の65万円を利用できる点もメリットになります。

しかし、e-taxを利用する場合には利用開始手続きが必要です。
利用を開始するにはマイナンバーカードの発行などの手続きが完了している必要があり、提出期限が迫っているとe-taxでの提出が間に合わないこともあります。

e-taxを使った確定申告は簡単で便利になっているため、フリーランスの美容師になる方は、開業と同時に確定申告を視野に入れた準備を行いましょう。

確定申告をしないとどうなる?

収入がある人は確定申告を行う義務がありますが、期限までに確定申告をしなかった場合にはどのようなペナルティが発生してしまうのでしょうか。

申告ミスや無申告はペナルティの対象になる

確定申告は、本来の納税額より少なく申告してしまう「過少申告」や確定申告の義務があるにも関わらず申告しなかった「無申告」に対し、ペナルティが課されます。
税金のペナルティは以下の3つです。

  • 延滞税
  • 過少申告加算税
  • 無申告加算税

延滞税

延滞税は、3月15日までに支払うべき税金を支払わなかった場合に課税されます。
支払うべき日にちより遅れた日数分の延滞税が課され、最高税率は14.6%です。

過少申告加算税

過少申告加算税は、本来支払うべき税金よりも過少申告した場合に課せられます。
提出期限後に過少申告が判明した場合でも、自主的に修正申告を行った場合は過少申告加算税を請求されませんので、速やかに修正申告を行いましょう。
自主申告の場合は、修正申告後の税金の差分を支払います。

しかし、税務署からの通知を受けた後に修正申告を行う場合や、誤りを指摘された場合には、税金の差分に加え、過少申告加算税を納めなければなりません。
過少申告加算税の税率は、新たに納める税金の10%です。ただし、新たに納める税金が50万円以上の場合は、超えた金額分に15%が課税されます。

無申告加算税

無申告加算税の場合は、自ら申告し税金を納める場合は5%の無申告加算税が課されます。しかし、税務署から指摘されてから申告する場合は以下のようなペナルティを受けます。

  • 税額が50万円以下の場合は15%の加算税
  • 税額が50万円以上300万円以下までの部分は20%の加算税
  • 300万円を超える部分については30%の加算税

確定申告を怠り、数年間の追徴課税を支払う義務が発生した場合は、その金額の大きさから支払いが困難になる場合もあります。

内容によっては刑事罰も

また、故意に確定申告を行わず、脱税を行った場合は刑事罰に処される可能性もあります。

  • 5年以下の懲役又は500万円以下の罰金

確定申告は知らなかったでは済まされません。
フリーランスの美容師として働き始めた場合は、必ず毎年確定申告を期限内に行いましょう。

サロエボの活用で確定申告の負担を軽減できる

サロエボは美容室でも使用されるPOSシステムです。
確定申告にお悩みの美容師の方でも、管理業務の負担を軽減できる機能が搭載されているので、日々の売上管理に適しています。

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関連記事:美容室の業務効率化を実現するPOSレジの選び方とおすすめ5選

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2019年1月に始まった「軽減税率制度」の影響により、現在は消費税率8%と10%の税率が混在しています。
サロエボは複数税率設定を標準装備しており、商品ごとに標準税率と軽減税率の設定ができます。

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まとめ

確定申告は日々の収入と仕入れ・経費を計算する必要があるため、慣れない時期はわからないことも多いでしょう。

しかし、確定申告が難しいからといって、無申告はやめましょう。
無申告加算税などのペナルティや、場合によっては刑事罰を受ける可能性があります。

POSシステム「サロエボ」なら、フリーランスで働く美容師のスタートアップをサポートします。
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