インスタグラムは、画像や動画の共有に特化したSNSです。日本国内の利用者は2023年時点で6,600万人以上に達しており、幅広い年齢層に利用されています。
特に10代や20代といった若年層の利用率が高く、単なる画像・動画共有だけでなく、興味のある商品やサービスを検索するツールとしても使われています。そのため、多くの企業や店舗がインスタグラムをビジネスチャンスと捉え、マーケティングに活用するようになってきました。
株式会社サイバー・バズの調査によると、インスタグラムにおけるインフルエンサーマーケティングの市場規模は、2020年85億円、2021年120億円、2022年には155億円と拡大を続けています。
参考：株式会社サイバー・バズ
そこで注目されているのが、インスタグラムの予約機能です。インスタグラムの予約機能を導入することで、インスタグラムを利用したマーケティング施策の効果をより高めることが可能です。
しかし、インスタグラムの予約機能はメリットだけでなくデメリットもあるため、導入前に確認しておきましょう。
本記事では、インスタグラムの予約機能の仕組み、導入方法、そしてメリットとデメリットを詳しく解説します。
インスタグラムの予約機能とは？
インスタグラムの予約機能は、プロフィールページに「予約する」「席を予約する」「注文する」といったアクションボタンを設置して利用します。利用者は、店舗のプロフィールページからアクションボタンを押して、そのまま商品やサービスの予約ができます。
インスタグラムの利用者が魅力的な商品やサービスを見つけてから、実際に予約するまでの導線がスムーズになるため、効率的に訴求できます。
インスタグラムのプロフィールから直接予約を受けられる
インスタグラムのプロフィールページにアクションボタンを設置すると、利用者は予約までの行動をアプリ内で完結できます。他のWebサイトやアプリに移動する手間がありません。
インスタグラムの予約機能が導入される以前は、以下の方法で予約する必要がありました。
- ダイレクトメッセージ（DM）で直接問い合わせる
- 店舗の公式サイトを検索して予約ページへアクセスする
- 店舗の予約ができるポータルサイトにアクセスする
- 店舗の電話番号を探し、電話をかける
いずれの方法も利用者にとって手間がかかり、投稿を見て商品やサービスに興味を持っても、予約や購入までに離脱するおそれがあります。
しかし、インスタグラムのプロフィール上にアクションボタンがあれば、利用者は投稿を見て「これが欲しい！」「ここに行きたい！」と思った瞬間に、ボタンをタップして即座に行動に移せます。
利用者の熱が冷める前に次の行動を促せるため、予約数の増加が期待できます。
ストーリーズやダイレクトメッセージからの予約受付も可能
インスタグラムのアクションボタンはプロフィール画面だけでなく、ストーリーズやダイレクトメッセージにも載せられます。アプリ内だけの操作で言えば、プロフィールページに移動するのも、利用者にとっては手間になります。
動作がひとつ増えるだけで、予約数は下がってしまいます。ストーリーズやダイレクトメッセージにアクションボタンを設置すれば、予約までの操作を短縮できるため、予約数を高められます。
予約システムとの連携により予約ボタンを表示できる
インスタグラムの予約機能は、予約システムとの連携が必須です。予約受付や予約管理の機能を備えていないため、単体では利用できません。
インスタグラムのアクションボタンは、URLリンクボタンとして機能し、押すと連携させた予約システムの画面をインスタグラム上で表示させます。
インスタグラムの予約機能は、以下の手順で設定します。
- インスタグラムのプロフィール画面の「設定」を選択
- アカウント切り替えで「プロアカウントに切り替える」を選択
- 店舗のカテゴリを選択
- 店舗情報を入力後、「アクションボタンを追加」を選択
- 契約している予約システムを一覧から選び選択
また、インスタグラムの予約機能を利用するには、予約システムの選定も重要です。単に予約システムを利用しているだけでは不十分で、インスタグラムの予約機能に対応している必要があります。
インスタグラムの予約機能を導入するメリット
インスタグラムの予約機能を導入すると以下のメリットがあります。
- インスタグラムを使った集客施策の効果を高められる
- スタッフごとのアカウントからも予約を受けられる
- 日本語に不慣れなお客様も予約しやすい
これらのメリットについて詳しく見ていきましょう。
インスタグラムを使った集客施策の効果を高められる
美容室やエステサロン、飲食店などのサービス業では、インスタグラムの予約機能を活用することで、若年層の利用者へ直接的にアプローチできます。
実際に、若年層がインスタグラムを利用する際、以下のような情報の検索に使われていることがわかっています。
- 美容に関する検索
- 食事やグルメに関する検索
- 普段のお出かけに関する検索
- ファッションに関する検索
- 非日常の食事やお出かけの検索
参考：日本マーケティング学会「若年層におけるインスタグラム利用に関する研究」
インスタグラムは、画像や動画を共有するだけでなく、検索ツールとしても使われるようになっています。そのため、商品やサービスが魅力的に見える投稿ができれば、リポストされる回数が増え、多くの人に見てもらう機会が増えます。さらにインスタグラムの予約機能を導入することで、予約までの流れがスムーズになります。そのまま予約ボタンから行動に移せるため、集客が見込めます。
スタッフごとのアカウントからも予約を受けられる
インスタグラムの予約機能では、店舗アカウントだけでなく、スタッフの個人アカウントにもアクションボタンを設置できます。
利用者は各スタッフの予約ページに直接アクセスできるようになるため、店舗のアカウントを探して、予約時にスタッフを指名するという手間がありません。
複数のスタッフが所属する美容室やエステサロンでは、店舗アカウントだけで投稿をしても、一人ひとりの情報をまんべんなく発信することはできません。しかし、各スタッフの個人アカウントであれば、専門性や経験、スキルを直接アピールできる機会が増えるため予約率の増加につながります。スタッフ個人のモチベーション向上にもつながり、サービスの質を高めることができます。
また、フォロワー数が多いスタッフのアカウントを活用できれば店舗全体の認知度が高まるため、集客力の向上が期待できます。
日本語に不慣れなお客様も予約しやすい
インスタグラムのアクションボタンは、利用者側が設定した言語に自動で翻訳されて表示されます。そのため、日本語がよく理解できない海外の人でもアクションボタンが何を意味するのか分かります。
アクションボタンから先の、予約日時やサービスの種類、スタッフなどは店舗側で作成する必要があります。しかし、多言語への対応を意識することで、海外のお客様も取り込めます。
インスタグラムの予約機能を上手く活用できれば、インバウンドで観光客が増加している状況では、大きな強みとなります。また、日本に住んでいる外国人のお客様にとっても、予約しやすくなるため、新しい層の集客が見込めます。
インスタグラムの予約機能を導入するデメリット
インスタグラムの予約機能を導入する場合は、以下のデメリットに注意しましょう。
- 予約システムの利用料がかかる
- ビジネスアカウントへの切り替えが必要
- 予約チャネルが増えることで管理が複雑になる
それぞれのデメリットについて解説します。
予約システムの利用料がかかる
インスタグラムの予約機能の利用は無料です。予約機能を利用するために必要となるビジネスアカウントの登録も費用はかかりません。プロフィールへのアクセス数や、インプレッション数といった数値が分析できる分析ツールも無料で使えるため、マーケティングにかけるコストを抑えられます。
ただし、アクションボタンの設置に必須となる予約システムを利用するのに、月額基本料金や手数料などがかかる場合があります。
たとえば、利用者がインスタグラムの予約機能を使って予約を取ると、パートナー企業の予約システムを経由して美容室の予約が行われます。
この際、利用する予約システムによっては美容室側が手数料を負担することになります。定期的な投稿をするには人件費や、場合によっては外注費も必要です。インスタグラムからの集客が増えても、コストがかかっては利益率が減ってしまいます。
費用対効果を高めるには、月額基本料金や手数料が低い予約システムを選ぶことが重要です。インスタグラムの予約機能に対応した予約システムを新たに契約する場合は、初期費用が低いものを選ぶとよりコストを抑えられます。
ビジネスアカウントへの切り替えが必要
インスタグラムのアカウントには、個人アカウント、クリエイターアカウント、ビジネスアカウントの3種類があります。それぞれの違いは以下のとおりです。
- 個人アカウント：一般ユーザー向け
- クリエイターアカウント：著名人、インフルエンサー向け
- ビジネスアカウント：企業向け
クリエイターアカウントとビジネスアカウントはまとめてプロアカウントとも呼ばれています。クリエイターアカウントでは、プロフィールページに電話番号とメールアドレスを登録することで、「電話する」「メール」のボタンが表示できます。ビジネスアカウントでは、さらに住所の表示とアクションボタンの設置が可能です。予約機能を利用する場合は、ビジネスアカウントの作成が必要です。
インスタグラムでは、登録時に設定したアカウントを後から切り替えられます。個人アカウントやクリエイターアカウントで登録した場合でも、ビジネスアカウントへ切り替えが可能です。
ただし、ビジネスアカウントはプロフィール情報を非公開にできません。個人アカウントをビジネスアカウントに切り替えることも可能ですが、プロフィールが常に公開状態だと不具合がある場合は、店舗専用のアカウントを作成しましょう。
また、ビジネスアカウントから個人アカウントやクリエイターアカウントに切り替えると、予約機能が使えなくなるため注意が必要です。
予約チャネルが増えることで管理が複雑になる
インスタグラムの予約機能を導入することで予約管理の負担が課題となります。
美容室やエステサロンといった業界では、SNSやポータルサイトなど多くの予約チャネルを導入している店舗も珍しくありません。しかし、予約チャネルが増えると、新規受付・変更・キャンセルなどの予約情報をすべての予約チャネルに反映させる必要があり、照らし合わせの作業に手間がかかります。
また、反映するときに予約ミスが起きるリスクも高くなります。複数の予約チャネルを導入している状況の中、さらにインスタグラムの予約機能が加わることで予約業務が煩雑になるおそれがあります。
予約管理の負担を軽減する方法に予約管理システムがあります。予約管理システムを導入すれば、複数の予約チャネルの予約情報を一元管理できるため、予約業務の負担を減らせるだけでなく、予約ミスを減らすことも可能です。
インスタグラムの予約機能と「かんざし」の連携で予約管理を効率化
かんざしは、サロン・美容業界に特化した予約一元管理サービスです。SNSやポータルサイトからの予約を一画面で管理できるため、予約ミスやダブルブッキングが起きるリスクを減らせます。
また、かんざしは業界トップクラスのお得な料金で利用できます。インスタグラムの予約機能と連携できる予約システムの中には、高額な月額基本料金や手数料が発生するものも少なくありません。
かんざしを利用すれば、予約システムにかかる費用を抑えられます。
かんざしはインスタグラムの予約機能と連携可能
かんざしは、インスタグラムの予約機能に対応しているので連携が可能です。かんざしの管理画面で以下の情報を設定すると、連携後にインスタグラムの予約ページに自動で反映されます。
- クーポン
- 施術メニュー
- カテゴリ
- 料金
- 予約受付時間
- 予約可能なスタッフ
インスタグラムから予約が入った場合、かんざしの管理画面に自動的に反映されるため、店舗スタッフが予約情報を手動で管理する必要がありません。予約管理にかける時間を削減でき、スタッフが接客やサービスの品質向上に注力できます。
予約の一元管理で業務を効率化
かんざしが一元管理できる予約チャネルは以下のとおりです。
- 予約ポータルサイト（ホットペッパビューティー、minimo、楽天ビューティーなど）
- 店舗のWebサイト
- かんざし結（かんざし独自のWeb予約システム）
- Google で予約
- LINE連携予約
- インスタグラムの予約機能
- 電話予約（手動入力）
- 来店予約（手動入力）
かんざしは、インスタグラムの予約機能以外にも多くの予約チャネルに対応しています。予約が入った場合、すべての予約チャネルに予約情報が自動で反映されるため、照らし合わせる必要がありません。予約ミスやダブルブッキングなどが起きにくいため、お客様のクレームやトラブルを防げます。
POSシステムとの連携で施策の効果を分析しやすい
かんざしでは、POSシステムと連携することで、さらに業務の効率化が可能です。たとえば、かんざしとPOSシステムのシフト管理機能を連携させることで、営業日や営業時間だけでなく、スタッフの出勤情報に合わせて予約可能な時間を管理できます。
そのため、予約のお客様が来店したのに担当スタッフが出勤していないといった状況を避けられます。
かんざしと連携可能なPOSシステムはいくつか種類がありますが、その中でもおすすめなのがPOSシステム「サロエボ」です。サロエボは、サロンに特化したPOSシステムになるため、決済機能だけでなく顧客管理や販促機能、売上管理といった、店舗の運営に必要となる一連の機能を搭載しています。
かんざしとサロエボを連携すると、予約情報から売上予測を立てたり、スタッフごとの業績を把握したりといった経営状況の把握や意思決定に役立つ分析も可能です。
また、サロエボはクラウドシステムになっているため店舗にいなくても情報の確認や分析ができるため、業務の効率化につながります。
まとめ
インスタグラムの予約システムは、若年層の顧客獲得に適しています。若い人に向けた集客を一層強化したい、新しい顧客層として若い人を取り込みたいという美容室やエステサロンには最適なマーケティングツールといえます。
しかし、インスタグラムの予約機能は予約システムとの連携が必須になります。インスタグラムの予約機能に対応している必要があるため、予約システムの入れ替えや新規導入が発生する可能性があります。インスタグラムの予約機能に対応している予約システムは数多くあるため、どれを選べばいいのか迷ってしまうことがあるかもしれません。
そのような悩みを抱えている店舗におすすめなのが「かんざし」です。
インスタグラムの予約連携の他、多くの予約チャネルに対応しており一元管理が可能です。また、初期費用はかからず、月額基本料金も業界トップクラスのお得な価格で利用できます。
インスタグラムの予約機能と連携する予約システムの選定に迷っている店舗様はぜひ一度ご相談ください。
予約管理をもっと効率化してもっと快適なサロンワークを
